2017/07/19

モモコのAnimal in Movie

映画の話:猫とノワール

 
こんにちは。OFTデザイン課の田淵です。
2000年代の比較的真新しい作品を続けてご紹介してきましたが、今回は半世紀ほど遡ってみましょう。今日紹介する映画はコチラ!
 
 
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▶︎『第三の男
1949年/サスペンス映画
監督:キャロル・リード
 
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アメリカの売れない劇作家ホリー・マーチンス。
親友ハリー・ライムから仕事の誘いを受けウィーンにやって来たが、彼は自動車事故で死亡したと知らされて……?
 
 
 
フィルム・ノワール。映画史に残る傑作。
既にカラー映画が広まり始めていた時代ですが、こちらは白黒で撮影された作品です。フィルム・ノワールはストレートに訳すと「暗い映画」という意味になります。フランス語ですね。犯罪映画の中でも更にこの括りで呼ばれることになる作品の多くは夜のカットが多用され、薄暗かったり、昼間のシーンでもなんとなく不安になるような画面構成や間づかいであったり、退廃的なムードが色濃いです。
 
こう言うとアンダーグランドで観るひとを選ぶような作風に感ぜられるかもしれませんが、「第三の男」は映像美・印象深いテーマ曲(日本ではヱビスビールのCMなどに使われていますよ!)・巧みなプロット・俳優の演技力などなどさまざまな観点から高く評価され、第3回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した(!)のを皮切りに未だ多くの映画批評家やファンからのラブコールが絶えない根強い人気を誇っています。名作です。
 
私はこの映画の影の表現が大好きです。斜めに濃く差した影から男性がぬっと姿を現すシーンなんかは、思い出しただけでドキドキします。
 
 
 
※以下お話の重要な部分のネタバレを含みます。
 
 
死んだライムの元恋人・アンナは猫を飼っています(種類は分かりませんでした!ごめんなさい)。
主人公がはじめにアンナの部屋を訪ねるシーンでちらりとさり気なく初登場を遂げ、その後も繰り返し姿を現し…というわけでは決してないんですが、ひとつ猫にまつわる思わずニヤリとしてしまうような大きな演出が!
 
先に紹介した部屋のシーンで、じゃらそうとする主人公を無視して窓から出て行ってしまう猫の姿と「愛想のない猫だ」「彼(ライム)には懐いたわ」という何気ないやり取りがあるんですが、実はこれが伏線なんですよ!
 
彼にしか懐かないはずの猫が、外へ出て行ったあと向かいの家の影に潜む謎の人物を見つけて足元へ擦り寄るんです。ということはこの人物はつまり……?
 
これは言葉では明確に説明されていないんですが、気付くとオッとなりますね。この映画にはほかにも「説明はしないけどなんとなく分かっちゃう」ギミックがふんだんに盛り込まれています。観客の気を抜いておいて直後に驚きの展開をもってくる演出なんかも。
 
こういう細やかな部分も、たくさんの人々を魅了してやまない所以かもしれませんね。
 
 
ところで猫の気まぐれで掴みどころのない感じとノワール作品の雰囲気は実によく合います。”ミステリアス”はイコール”魅力的"ですね。
 
 
 
Fin.

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