2016/11/15

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全盲の方‐人々‐自分‐そして犬⑤

全盲の方について

全盲の方について

1万2千年前、子犬とともに埋葬された人骨が発見されて以来、人は他のどの動物でもなく犬を愛すべき信頼のおけるパートナーに選んだのではないかとされています。そして現代。犬はさらに人間社会にも人の心にも、より深く入り込んだパートナーとしてともに暮らすようになっています。

以前、地下鉄で出会った全盲の男性の手助けをしようと声を掛け、地上までお送りしてから3か月ほどたったある仕事の帰り道、混雑する夕方の大阪環状線に乗り込んだ私の背中側の人ごみがいつもと違う動きを見せたかと思うと、足元を犬が通り過ぎていきました。みんなが視線を落とし、その犬に注目している真横には、スーツ姿のしっかりとした足取りと姿勢を保った男性が立っていました。盲導犬と視覚障害者の方でした。

私は一瞬にして、3か月前の白い杖の全盲の男性を思い出しましたが、その盲導犬とともに電車に乗り込んできた男性は目が見えているのではと時々感じられるほど落ち着いた様子で、社内通路の真ん中に立っていました。犬は少し視線を下向き加減に保ちながら男性の足元にじっと伏せていたかと思うと、降りるべき駅が近づいた瞬間、立ち上がり男性をまだ動いている電車のドアの手前まで誘導するのです。

駅に到着しドアが開き車内もホームも満員の人ごみの中を、盲導犬とその男性はつまづくことも、人にぶつかることもなく他の人々の流れに乗って、そして消えていきました。犬の力を感じざるを得ない瞬間でした。先史の時代に人が犬をパートナーとして選んだ理由。それは犬の底知れぬ能力を感じていたからなのかもしれません。

盲導犬は、人間社会への適応力と視覚障害者に対する忠実性などを相当なトレーニングを繰り返すことによって身につけており、実践ではよりハードなサポート業務が毎日続きます。そのため一般のペットに比べ寿命が短いと聞いたことがあります。私たちはもっと犬の力を知るべきであり、もう少し犬を通して社会を見つめなおすべきなのかもしれません。

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