2016/11/10

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スピンオフ 野球編2「絶対キャプテンにならない! 最後の最後まで…」

高校野球について

高校野球②について

前回は、夏の地区予選に負けた後の野球部が新チームになったとたんに、キャプテンに誰が選ばれるのかという緊張と不安を書かせていただきました。今回は、その後キャプテンが決まるまでの話です。

大会に負けた後、ほぼ学校は夏休みに入っていますのでグラウンドも使いたい放題、野球部員は朝から晩まで学校で野球漬けとなります。すでに新チームは始まったにもかかわらず、誰もキャプテンという言葉だけは口に出さず、黙々とXデーまでの数日間を緊張とともに過ごすのです。

私もその一人でした。私には特別な約束がありました。それは、「キャプテンになるな!」という親との約束でした。小学校3年生からリトルリーグで野球を始めた私は、一度キャプテンの経験があります。当時何より大変だったのは、私ではなく親でした。試合や練習も時々は顔を出し、その際にはジュースの一つも持参し、連絡事があれば連絡網の中心となり、さらに地方から来たチームがあれば、子供たちを家に泊めてあげるなどしなければなりませんでした。

高校生にもなれば、あまり手間はかかりませんが責任感は増します。私はキャプテンにならぬよう新チームの練習では、走る時もキャッチボールの時も円陣を組む時も、いつも最後尾で目立たぬように行動していました。しかし平穏な練習ばかりの日は続きません。ある日、新チーム初の対外試合(練習試合)が組まれたのです。

それはキャプテンのいない対外試合でした。先攻後攻を決めるジャンケンは誰がするのか?ベンチでの声掛けは誰が中心になるのか?ホームベースで相手校と試合初めの挨拶をする時には、いったい誰が先頭=キャプテンの立つ位置にいるのか?当日は仮のキャプテン役が監督から指名され、試合を終えました。

そして、次の日からまたキャプテンのいない練習が…と、そういうわけにはいきません。突如Xデーはやってくるのです。練習が始まってすぐ、監督はどこを見回しても日陰など見つかるはずもない、炎天下のグラウンドの真ん中に私たち上級生だけを集めました。円陣が組まれ、その中心で監督が「おまえらにキャプテンはいない。誰もやりたくないのなら私が決める。」と最終宣告を突きつけたのでした。もう逃げ場はどこにもありません。これでとうとう、私たちが来年の夏を終えるまでの戦いの先陣に立つ人間が決まるのでした。

炎天下の固いグラインドの上で、固唾を飲んで直立する私たちをひとしきり見まわした後、監督は後ろに隠れている私のほうに向かって「○○、お前がキャプテンをやれ!」と、それはまるで拍子抜けするほど簡単な一言でした。その数秒後から、私の全身全霊の1年間が始まったのでした。

人は人の何を見て適者と判断するのでしょうか? 今どう振り返ってみても30年前の私はキャプテンに向いているとは思えません。しかし大人になった今周囲を見渡しても、確かに器用で頭の回転がよく、きっちりと仕事をこなせる人間ばかりがリーダーや上役、社長になっているわけではなさそうです。

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